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65 茯苓桂枝甘草大棗湯 66 厚朴生姜半夏甘草人参湯

65「発汗後、其の人臍下悸する者は、奔豚を作さんと欲す、茯苓桂枝甘草大棗湯之を主る。」

「奔豚」とは、実際のところ何がどうなっているのでしょうか。
「ドクドクと豚が奔走するようにお腹から胸に上がってくる」という表現です。
横隔膜を貫きここにあるのは、腹大動脈、下大静脈,食道と胃です。
この中で奔豚の動きをするのは胃と食道でしょう。

現代の生理学(改定第3版)には
「空腹時の胃の運動は、毎分数回の頻度で繰り返す強い収縮で、一度起こると10分位続いて止み、またしばらくして起こります。消化中間期の遊走性収縮とよばれます。これは胃に始まった収縮波が主に蠕動様の運動として回腸の末端まで90分かかって伝わるもので、消化が終わった後の残りを大腸に押しやる運動といわれています。」

生理学展望(15版)には
「胃の飢餓収縮・・・胃の筋肉は常時何らかの収縮をしている。胃が内容を排出してしまうと間もなく蠕動波が起こる。これは数時間にわたって次第に強くなる。それがあまりに強い時には自覚され、往々に軽い痛みを伴うこともある。これを飢餓収縮という。」

この収縮波がなぜか食道に伝播してきたとものを「奔豚」と言うのではないでしょうか。

内臓は平滑筋層を成しています。
この平滑筋細胞は、その多くが自動能を持ち、静止膜電位は骨格筋に比べて小さいが、緩徐電位変化(slow wave)とよばれる自発性の変動を示す。
平滑筋の収縮は、細胞内Caイオン濃度によって制御されている。
平滑筋の弛緩は、ノルアドレナリンがβ―受容体に結合する時に生じる。

「発汗後に、腸の平滑筋が弛緩し、本来ならば胃で始まった収縮波が腸に伝播するのですが、それができないために反射して食道の平滑筋に伝播してしまった。」

「64条の「発汗過多」=「麻黄のエフェドリンの多量の使用」によって、アドレナリン濃度が上昇し、細胞の収縮が続き、その後細胞内遊離カルシウムイオン濃度が低下した状態になり、その影響を胃や食道の平滑筋よりも腸の平滑筋が大きく受けた。」
というのは想像し過ぎでしょうか。

66「発汗後、腹脹満する者、厚朴生姜半夏甘草人参湯之を主る。」

65条に続き、この「腹腸満」は、発汗過多後に起こる腸の平滑筋の弛緩となります。
65条にも奔豚を現わさなくても、腹脹満は有ると考えています。
腹脹満がある上に奔豚が発現した場合、患者の自覚症状としては奔豚となり、腹脹満は隠れてしまいます。
この66条では、「奔豚を現わさない腹の異常(腹脹満)を治すには、厚朴生姜半夏甘草人参湯を使います。」となります。
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しょうかんぽん

Author:しょうかんぽん
傷寒論 厥陰病編が終わりました。
霍亂病の解釈は休憩にします。
ただ今、最初から読み直しています。
このブログのスタートの時とは、解釈に違いがあります。
より独創的な解釈になります。
しばらくお待ちください。
愛知の薬剤師、三品です。

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