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58,59,60,61 乾姜附子湯

58「凡そ病、若くは発汗し、若くは吐し、若くは下し、若くは亡津液し、陰陽自から和する者は、必ず自から愈ゆ。」
この条以後に陰陽自和することができない場合の条文が並んでいます。

59「大いに之を下して後、復た発汗し、小便不利の者は、津液を亡なうが故なり。之を治する勿れ、小便利するを得て、必ず自から愈ゆ。」

「大下之後」ですから、誤治ではありません。
「復発汗」は、「くりかえし発汗した」の意味とします。
一度だけの発汗ならば、「復」は必要ないでしょう。
「大下之後」の「後」で区切られていますので、「続いて一度発汗をした」という場合は「発汗」だけで良いでしょう。

「大下之後」と「復発汗」が原因で、「小便不利」になった者(他の症状はない)は、津液を失ったからです。
自然に治ります。それは小便利を確認してください。


60「之を下した後、復た汗を発すれば、必ず振寒し、脈微細となる。然る所以の者は、内外倶に虚するを以っての故なり。」

「之下後、復発汗」は、59,60,61条同じ条件になっています。
寒く震える様子を現わし、脈微細の者は、内外倶虚であるためです。

61「之を下した後、復た発汗し、昼日煩躁して眠を得ず、夜にして安静し、嘔せず、渇せず、表証なく、脈沈微、身に大熱無き者は、乾姜附子湯之を主る。」

下し、発汗することを繰り返すことにより、病気自体は治療できたのですが、体力が消耗しています。
日中は、神経が高ぶり、気持が落ち着きません。しかし夜になると落ち着いてきます。
別に嘔吐や口渇や表證などはありません。
どうしてこのようになるのでしょうか。
それは自律神経の調節機能がうまく働かないからです。
日中には、覚醒していますから交感神経にプラスに働きます。
それに対し副交感神経がバランスを取れないために、何もしていないのに煩躁状態になってしまいます。
抑えが効かない状態です。
これを内外の不和というのでしょう。

別の言い方をします。
夜間は、血液は貯蔵血として内臓に留まり、心伯数も低下します。
日中は、交感神経も亢進し、血液は皮膚と骨格筋に拡散します。そして心機能も夜に比べれば亢進します。
この生理作用に心臓が適応できない状態であるのです。
これは、心拍出量と静脈還流量がアンバランスであるため、心臓のリズムに負荷が罹っているのです。
それが煩躁となります。
体表にある血液を体内に戻し、血液循環を助ける為に、乾姜附子湯を服用するのです。

もうひとつ別な言い方をします。
下し、発汗を繰り返している間に、陽気が不足してしまいました。
夜間は、血液が体内の中心に集まってくるため、内の陽気が充実していますが、日中には血液と共に陽気が体表に張り出してくるので、身体の中心の陽気が不足してしまいます。その為煩躁が起こってくるのです。
その陽気の不足を補うために、乾姜附子湯を与えます
体表に張り出した陽気の状態により、脈診では脈沈微でありながら寸口が尺中より強くなるので、発熱と間違わないように「身無大熱」と表現しています。

このように内外不和により起こる症状なので、「不嘔、不渇、無表證」と他の病気を否定しています。

59,60,61条を一緒に考えてみましょう。
59条は、津液不足
60条は、内外倶虚
61条は、内外不和
となっています。
この3条と対応処方を想像してみると
59条は、津液不足で甘草乾姜
60条は、内外両虚で四逆湯
61条は、内外不和で乾姜附子湯
60条の脈微細と61条の脈沈微と比較してみましょう。
61条が60条より悪い脈です。
この場合の脈微細は、内と外がともに虚なのでバランスが取れて浮沈のどちらかに偏っていません。
それに比べ61条では体表から骨格筋に陽気が拡散しており、それに見合った静脈還流が不足気味なので、動脈血流量が低下し、脈波が弱くなり、脈沈微となります。
59条は津液不足ですが、これは病気とは考えていないように思えます。
この3条には陰陽の表現がされていないのに、58条では「陰陽自和」と言い、この3条の全体像を陰陽として説明しています。

もう一度考えてみます。
59条は、「下し発汗することで津液が不足することは当然であり、治療する対象ではなく、静養すれば元に戻ります。」
60条は、「下し発汗することで内外が虚すると寒さと身ぶるいをしますが、それは邪実が残っているわけではありません。
脈微細がそれを現わしています。」
61条は、「下し発汗すことで日中は煩躁し落ち着かなく、夜になると落ち着いてくる、その他の症状は有りません。
これは内外の疎通がスムーズでない為です。
そして脈は沈を示しているので、乾姜附子湯を与え脈沈を平になるようにしてあげましょう。」








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しょうかんぽん

Author:しょうかんぽん
傷寒論 厥陰病編が終わりました。
霍亂病の解釈は休憩にします。
ただ今、最初から読み直しています。
このブログのスタートの時とは、解釈に違いがあります。
より独創的な解釈になります。
しばらくお待ちください。
愛知の薬剤師、三品です。

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