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50 尺中遅 栄気不足 血少

50「脈浮緊なる者は、法として当に身疼痛すべし、宜しく汗を以って之を解すべし。仮令えば尺中遅き者は、発汗すべからず。何を以って知る、然るに栄気不足、血少なきを以っての故なり。」

脈浮緊において、汗を似って解する場合には、身疼痛があることが法である。
これによって、47条においては、発汗によって解す法に当てはまらないこと考えても良いことになります。
(47「太陽病、脈浮緊、発熱、身に汗無く、自ら衂する者は癒ゆ。」)

尺中遅という脈証の問題です。
寸口、関上、尺中の関係は、前条の説明と同じです。
脈全体としては、浮緊でありながら、尺中の脈波の速度が遅く感じるとなります。
その理由として「栄気不足、血少」であると書いてあります。

その状態を想像すると
脈浮緊の緊の程度が掌と腕とで違いがあると思われます。

その理由は下記のようになります。

脈波の伝達速度の変動を下記します。
容積脈波は
 皮膚組織が軟らかくなるほど、脈波が伝わりにくい。
 皮膚組織が厚くなるほど、脈波が伝わりにくい。
 血管壁が薄くなるほど、脈波が伝わりにくい。
 血管径が大きくなるほど、脈波は伝わりにくい。
圧派は
 血液密度が高いほど遅くなり、低いほど早くなる。
これらからと、「栄気不足と血少」が原因として考えると
「皮膚組織が軟らかい」が尺中遅の主要原因と思われます。

血液密度は掌と腕の血管において違いは無く、脈浮緊における正常な寸口と尺中の関係を変化させる原因にはなりません。

(脈浮緊とは、血管径が大きくなりながら、外寒により皮膚組織が固くなり血管を拘束する状態をイメージします。)
「血少」を「血液量が少ない」と考えると血管径が普段より大きくならなくなり、遅ではなく速になってしまいます。
また「血少」を「血液密度が低い貧血」と考えると、これも脈波が速くなります。
よって「血少」は、尺中遅には直接関係はないと考えます。

残った要素は「皮膚組織が軟らかくなる」です。
そして、このように考えました。
「栄気不足が、外寒による皮膚組織の緊張を持続するだけの力がないために、緊張が緩み、尺中遅になる」という結論になりました。

寸口の脈証は、掌という表面積の小さなところなので、栄気不足の影響を受けないのでしょう。

「栄気不足」に「血少」を追加した理由としては、実際に尺中遅を現わす患者では、「血少」が診られたか、または「栄気不足」だけでは尺中遅を現わすには無理があり、そこには血少があって当然と考えたのでしょう。

上記した容積脈波と圧派の性質は物理的性質ですから、実際の生体における反応とは異なってきますが、理解の手助けにはなります。

つまり「尺中で診る心臓から腕を通ってくる血管の緊張状態が、気血の不足のない場合に比べ低い」となります。

49,50条ともに、「発汗させる場合は、内の充実度を尺中で確かめなさい。」という意味が含まれています。

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しょうかんぽん

Author:しょうかんぽん
傷寒論 厥陰病編が終わりました。
霍亂病の解釈は休憩にします。
ただ今、最初から読み直しています。
このブログのスタートの時とは、解釈に違いがあります。
より独創的な解釈になります。
しばらくお待ちください。
愛知の薬剤師、三品です。

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