スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

330 厥陰之爲病

330「厥陰之爲病、消渇、気上撞心、心中疼熱、飢而不欲食、食則吐蛔、下之利不止。」

「厥陰の病たる、消渇し、気上って心を衝き、心中疼熱し、飢えて食を欲せず、食すれば則ち蛔を吐、之を下せば利止まず。」

消渇ですから、水分を補給しても口渇がなくならない、口渇の程度が激しい
気上撞心は気が上昇し心を衝くこと、そのため心中疼熱、心中が熱く苦しい感じになる。
空腹感はあるが、食を欲せず
食事をすると虫を吐する
虫がいるので、下剤を投与すると下痢は止まりません。

飢えるのですから、胃は働いています。
胃が機能しているから、不欲食ながらも食べるわけです。

口から出たと目視できる寄生虫は回虫でしょう。

メルクより回虫の抜粋です。
「病因と病態生理
経口摂取された虫卵は十二指腸で孵化して小腸壁に侵入し,門脈循環を経て肝臓を通り心臓および肺に移行する。幼虫は肺胞毛細血管に入り,肺胞壁を貫通して気管支樹を上行し,中咽頭に至る。幼虫は嚥下されて小腸に戻り,そこで成虫に発育して交接し糞便中に虫卵を放出する。このライフサイクルは約2〜3カ月で完了し,成虫は1〜2年生存する。
重度の感染では,もつれあった虫の塊が腸閉塞を引き起こすことがある(特に小児において)。迷入している個々の成虫が,ときに胆管または膵管を閉塞して胆嚢炎または膵炎を引き起こすが,胆管炎,肝膿瘍および腹膜炎はそれほど多くない。他の疾患による発熱または特定の薬物(例,アルベンダゾール,メベンダゾール,テトラクロロエチレン)が迷入を誘発することがある。
症状,徴候,診断
幼虫の肺内移行は咳,喘鳴,ときとして喀血または他の呼吸器症状を引き起こしうる。成虫は少数では通常胃腸症状を引き起こさないが,口または直腸から成虫が排出されたために無症状の患者が受診することがある。腸または胆管の閉塞は腹部痙攣痛,悪心および嘔吐を引き起こす。黄疸はまれである。中等度の感染でもしばしば小児の栄養失調を来す。病態生理は不明であるが,栄養分の競合,吸収障害,食欲減退などが考えられる。
診断は,顕微鏡検査による糞便中の虫卵の検出により行う。ときとして,肺内移行期に痰から幼虫を発見できる。幼虫の肺内移行期は好酸球増加が顕著となりうるが,通常は成虫が腸に生息する感染後期に軽減する。肺内移行期の胸部X線で浸潤を認めることがある(レフラー症候群)。」

回虫は、体内の数が異常に増加しなければ症状を現わさないとのこと。
この回虫により症状が現れた時には、すでに厥陰病ということになります。
「飢えて食を欲せず」はすい炎を現わし、
「気上がって心を衝き、心中熱く疼く」は、幼虫が心肺に存在していることを現わします。
膵炎により、インシュリン分泌細胞がダメージを受けると、血糖値も上昇し消渇となります。

では何故にこの回虫による病気の状態が「厥陰の病たる」という、重要な1条目に記載されているのでしょうか。
たぶん症状を漢方的に考えると統一性が無い為でしょう。
脾胃がどうなっているか分からないということになります。
「飢える」「食を欲せず」「食すれは蛔を吐す」
飢えるのだから空腹になる、つまり食欲が有ることを意味します。
(一般的には、飢えるを胃が空っぽとだけ解釈しています。)
そして「食を欲せず」を「食欲がない」と一般的には解釈しているので、その解説はさらに難解になり、それが厥陰病だとなってしまいます。
それでは病状が想像できません。
「食を欲せず」は、食すると痛いので食事を控えていると解釈します。
ですから次の「食すれば」は、痛くならないような食事すると続きます。

「蛔を吐す」は蛔が寒のために胃腸に居られないと解釈される為、下すと下痢が止まらないとは一致しますが、それほどの内寒なのに「消渇」「飢える」はずがありません。

この状況をいままでの考え方では説明できない典型的な例としてと、この症状を呈して死んで行く人の多さから、厥陰病の最初の条文となっていると考えます。
スポンサーサイト

この記事へのコメント

トラックバック

URL :

プロフィール

しょうかんぽん

Author:しょうかんぽん
傷寒論 厥陰病編が終わりました。
霍亂病の解釈は休憩にします。
ただ今、最初から読み直しています。
このブログのスタートの時とは、解釈に違いがあります。
より独創的な解釈になります。
しばらくお待ちください。
愛知の薬剤師、三品です。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム
QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。