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35,36,37 麻黄湯

汗無く悪風

35「太陽病、頭痛、発熱、身疼、腰痛、骨節疼痛、悪風、無汗して喘者、麻黄湯之を主る。」
36「太陽と陽明の合病、喘して胸満の者、下すこと不可、麻黄湯よろし。」
37「太陽病、十日以って去らず、脈浮細にして臥するを嗜む者、外すでに解すなり。もし胸満脇痛する者は、小柴胡湯を与う。脈ただ浮の者、麻黄湯を与えよ。」


この35.36.37条文を、一緒に考えます。葛根湯と同じ構造となっているからです。
葛根湯のところで説明したように、葛根は無くても良いと考えれば、麻黄と桂枝の組み合わせの処方です。
麻黄湯は、葛根湯から葛根を去り、更に芍薬大棗を去った処方です。
麻黄桂枝去芍薬大棗湯加杏仁が麻黄湯の姿になります。
重要なのは、芍薬が必要か否かになります。
一般的には、「頭痛、発熱、身疼、腰痛、骨節疼痛」の各症状が、葛根湯に比べて激しいことを強調していますが、症状の強弱はあてにならないことがあります。
症状がなくても麻黄湯を使う場合のあることを、後の条文に書かれています。
つまり漢方薬の使い方の難解なのは、本文は症状の羅列で書かれており、それをチェックすることで処方が決定すると思われていますが、そうではなく病態の設定状態が決まると症状があらわれていなくてもその処方が使えるという点にあります。
葛根湯と麻黄湯の違いは、消化器系に弱点があり、この場合の外寒に耐えられるかがポイントとなります。
無汗悪風は上図のように、熱生産の上昇と停滞の状態を表しています。葛根湯も同じです。

36条、葛根湯と同じく「太陽陽明合病」となり、「下痢」ではなく、「喘胸満」となります。消化器系への影響ではなく、呼吸器系へ影響が出てきたわけです。
ここで考えたいことは、「消化器系には全く影響しないのか」というとそんなことはありません。影響はあります。ただ下痢にならないだけです。
急激な体表面の緊張は、胃の収縮も誘います。それも影響によるものであり、体表面の緊張が和らげば、胃の緊張も治ります。
つまり太陽の影響による陽明の症状は、「下して治す対象ではない」ということ、それは葛根湯でも同じです。
実際には、現れている症状の程度で葛根湯なのか麻黄湯なのか判断できれば良いのですが、症状から確定できる程度病気が悪化していない場合、「患者がちょっとおかしい」と言い、発病初期に処方を選択する場合、どのような設定が行われていようとしているかを判断し決定しなければ、処方が決まりません。そんな時は脈診により、体内の様子を探ることになります。

37条、葛根黄芩黄連湯に対応するのが小柴胡湯です。
34条の場合は誤治して葛根黄芩黄連湯になりましたが、ここでは10日経ってもスッキリしない場合を言っています。
「病後の疲れで横になっていれば治ってゆく」ことを脈浮細は表しているのでしょうか。
そうではなくて、10日が経ち、発熱と発汗を経ずに外が収束する場合のあることを示していると考えます。ただしそのまま治ってしまうのならば記述する必要もなくなってしまいますので、当然治りません。

発熱、発汗を経ない場合、熱が内向するのです。
「脈浮細にして臥するを嗜む者」は、熱が内にあることを示しているのです。
熱があるため脈は浮になりますが、発熱に向かわず鬱熱となり気血の流通を阻害しているため細となります。
胸満脇痛する者は小柴胡湯を与えるとなっています。
外すでに解すれども内熱あるため脈浮細にして臥するを嗜む者は小柴胡湯を与えることになります。
そして脈浮をあらわす者というのは、内にこもった熱を、麻黄湯をもって発汗とともに発散させるということになります。

つまりこの条文は、「太陽病すでに10日経っている。症状は落ち着いており、外は治っている。しかし脈浮細にして臥するを嗜む者は内に熱が少し残っているためだ。これを治すには、小柴胡湯が良い。胸満脇痛が少しでもあればなおよい。
脈が細を示さず、細より太い場合は、気血の流通は阻害されていない、それは熱が鬱熱になっていないことを示している。
その場合の熱は、麻黄湯によって発汗に導き、発散してあげなさい。」
となります。

ここのポイントは「無汗」。
症状が軽いからと思って、麻黄湯の代わりに桂枝湯を与えると、葛根湯の時のように内熱を増加させることになります。
麻黄湯の適応だからといっても、この状況では脈は緊を示さない。もし脈浮緊となるならば「外すでに解すなり」ではないことになる。新たに外寒に当たり発熱傾向になることを意味します。

「外」「表」の意味の違いを説明するまでには私の考えは至っていません。
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しょうかんぽん

Author:しょうかんぽん
傷寒論 厥陰病編が終わりました。
霍亂病の解釈は休憩にします。
ただ今、最初から読み直しています。
このブログのスタートの時とは、解釈に違いがあります。
より独創的な解釈になります。
しばらくお待ちください。
愛知の薬剤師、三品です。

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