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263 身目爲黄、寒湿在裏

263「傷寒発汗已、身目爲黄、所以然者、以寒湿在裏不解故也。以爲不可下也、於寒湿中求之。」

「傷寒発汗已り、身目黄を為し、然る所以の者は、寒湿裏に在るを以って解せざる故なり。以って下すべからずと為す也、寒湿の中に於いて之を求む。」

「傷寒:陰陽倶有る状態から発汗し終り、つまり傷寒が解した後、身体や目が黄色になった場合の者は、裏に寒湿があるためです。そのため下していはいけません、寒湿の中に於いて処方を求めなさい。」

黄疸とは、循環血液中のビリルビン過剰により皮膚、強膜、その他の組織が黄変することを指します。
白目(強膜)の自然光下で観察し、黄変が確認される場合、血清ビリルビンは2~2,5㎎/dlに達していることになります。
さらに皮膚の黄変が観察される場合は、慢性肝疾患を示唆しています。

黄疸はビリルビン生成の増加または肝胆道疾患(肝胆汁性黄疸)により生じます。
肝胆汁性黄疸は肝細胞機能不全または胆汁うっ滞により生じ、胆汁うっ滞の原因は肝内性と肝外性があります。

肝内胆汁うっ滞による抱合型高ビリルビン血症は,肝炎,薬物毒性,およびアルコール性肝疾患などが原因となります。まれな原因として,原発性胆汁性肝硬変,妊娠に伴う胆汁うっ滞,および転移癌が挙げられます。
肝外性胆汁うっ滞による抱合型高ビリルビン血症は総胆管結石または膵癌などが原因となります。まれにみられる原因としては,良性の総胆管狭窄(通常,過去に行われた手術に関連する),胆管癌,膵炎や膵仮性嚢胞,および硬化性胆管炎があります。

この条文の状態とは、「発汗剤の麻黄により、ビリルビンを全身に放出することになってしまった」ということです。
発汗剤が、黄疸を誘発する理由は何でしょうか。
麻黄による肝障害が起こったとは思えません。それぼど長期に発汗剤を服用していたと思えないからです。
ですから、発熱した時点ですでに胆汁のうっ帯はあったものと考えます。
そのうっ帯した胆汁が、発汗剤を服用することで、循環血液に黄疸となる量が流れ出てしまった。

交感神経の亢進は、肝臓に貯蔵されたグリコーゲンを分解しブドウ糖を血中に増量し、それは肝静脈から心臓に行き、そして全身の筋肉に送られ熱生産が亢進します。
交感神経の亢進は、消化機能を抑制します。
それは胆のうや胆管を弛緩し、オッディー括約筋を収縮し、胆汁を十二指腸に放出しないように働きます。

黄疸には溶血性黄疸と閉塞性黄疸があります。
溶血性黄疸では、赤血球の溶血量が肝臓の処理能力を超えた場合に起こります。
閉塞性黄疸は、胆道の閉塞に因りビリルビンが排出できない状態となり、大便が白色調を帯びてきます。

いろいろ考えた末、この条文の場合、発汗剤による肝臓の血流量の増加に因り、新たに作られる胆汁がそれまでうっ帯していた胆汁が存在するため循環血液に入り、血清ビリルビンが2㎎/dlに至ったものと考えます。

この条文における寒湿という状態は、胆汁の排泄が悪く、胆汁が停滞している状態となります。

この状況に於いて、下剤を使うと腸への刺激が胆のうの収縮につながるので使用してはいけません。

血流をなるべく促進しない、肝臓の動脈を拡張しない、胃腸の運動を抑制する、などを考慮しながら、胆汁のうっ帯を改善する処方を選ばなければなりません。

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しょうかんぽん

Author:しょうかんぽん
傷寒論 厥陰病編が終わりました。
霍亂病の解釈は休憩にします。
ただ今、最初から読み直しています。
このブログのスタートの時とは、解釈に違いがあります。
より独創的な解釈になります。
しばらくお待ちください。
愛知の薬剤師、三品です。

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