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248 五苓散

248「太陽病、寸緩、関浮、尺弱、其人発熱汗出、復悪寒、不嘔、但心下痞者、此以医下之也。如其不下者、病人不悪寒而渇者、此転属陽明也。小便数者、大便必鞕、不更衣十日、無所苦也。渇欲飮水、少少与之。但以法救之。渇者、宜五苓散。」

「太陽病、寸緩、関浮、尺弱、其の人発熱汗出、復た悪寒し、嘔せず、但心下痞する者は、此れ医之を下すを以ってする也。如しも其の下さざる者で、病人悪寒せず而して渇する者は、此陽明に転属する也。小便数なる者は、大便必ず鞕し、更衣せざるに十日、苦しむ所無き也。渇して水を飲まんと欲するは、少少之を与え、但だ法を以って之を救え。渇する者は、五苓散に宜し。」

寸緩・・・やわらかい、ゆるむ
関浮・・・血管径が大きい
尺弱・・・脈波が弱い
この脉証は寸関尺に分けて書いてあります。
脉全体としては、浮となり、寸と尺を比較すると、尺より寸は緩と感じ、寸より尺は弱と感じます。
それは体表面の血管が開き、発汗しているから寸が緩と感じ、体表面に血液が偏在して、それを心臓から橈骨動脈に十分に補充できていないため尺の脉が寸より弱く感じます。
(実際にこのような脈診ができるようになりたい!)

条文の病状は、発熱・汗出・復悪寒・不嘔・但心下痞となっています。
この状況と脉証を結び付けます。
発熱汗出は脉浮緩と一致します。
「復悪寒」は、発熱汗出によって放熱された熱量を血液が補充できない場合に起こり、これが尺の脉証の弱と一致します。
そして血液が心から補充できない理由が、医が之を下した結果の「心下痞」となります。
不嘔は、心下痞の程度を確認したものなのか、邪が陽明に及んでいないことの確認となります。
医が下した結果、上焦の心下痞になった、上焦に属したことになります。

「医が下していなくても、悪寒がなく口が渇く者は、陽明に転属しました。」ということは、どのような状況なのでしょうか。
下していない状況とは、心下痞にはならないので、血液の補充ができ尺脉の弱はなくなり、全体として脉浮緩・発熱汗出の太陽病になります。
しかし、医が之を下そうと考えたところと、この場所に条文が置かれていることから、その理由は前条のように陽明にトラブルが有ったためと推察します。
陽明を下したら、上焦が悪化し心下痞となり、前条と同じく、この結果から陽明ではなかったことが分かります。

下さなくても、太陽病発熱汗出脉浮緩から悪寒がなくなり、口が渇くようになれば、これは陽明病に転属してきたことになります。
この口の渇きは、熱ではなく、水分代謝の低下によることが下記から分かります。
これは病の場所が、太陽から陽明に変化してきたことを示します。

その陽明に属した病の一つとして「小便数になり、大便必ず鞕し、更衣せざるに十日、苦しむ所無き也。」があります。
便秘が十日も続いたら、一般的には腹満はあるはずです。
それが苦しむ所がないのは、実していない、虚していることになります。
また、大便必ず硬いとはいつの排便でしょうか。
十日も過ぎてからの大便ならば、きっとコロコロのウサギの糞の様な便になります。
この場合の病の場所は陽明=胃家にあり、その実態は虚となります。
小便数も虚によるものと考えます。

この虚は機能低下を意味します。
また陽明に属した病の一つとして「渇して水を飲まんと欲するは、少少之を与え、但だ法を以って之を救え。渇する者は、五苓散に宜し。」があります。
この場合の病の場所は、陽明にあり、ひとつは水を与えることになっているので、その実態は燥となり、またひとつは水を与えてもなお渇が無くならないというのは、水分代謝が悪いので五苓散になっています。
水分の吸収は大腸であり、口の渇きはその水分の代謝異常なので、これも脾胃腸の虚・機能低下となります。

心下痞は胸膜または横隔膜の緊張により、吸気時の胸空内の陰圧率が低下し、心臓への静脈環流を阻害し、心拍出量の減少につながります。

この条文は、実際の治療における症例のように書かれています。
「病気は、初診に全てが分かるわけではなく、投薬後の状態に因って、上焦や陽明に転属し、その状態を理解し、之を救いなさい。」と言われているようです。

更衣・・・便所に行くこと、昔はトイレから出て来るときに必ず衣服を変(更)える習慣があったために、便所に行くことを更衣するという。

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しょうかんぽん

Author:しょうかんぽん
傷寒論 厥陰病編が終わりました。
霍亂病の解釈は休憩にします。
ただ今、最初から読み直しています。
このブログのスタートの時とは、解釈に違いがあります。
より独創的な解釈になります。
しばらくお待ちください。
愛知の薬剤師、三品です。

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