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241 喜忘 畜血 瘀血 抵当湯

241「陽明證、其人喜忘者、必有畜血、所以然者、本有久瘀血、故令喜忘。屎雖鞕、大便反易、其色必黒者、宜抵当湯下之。」

「陽明證、其の人喜しば忘する者は、必ず畜血有り。然る所以の者は、本と久しく瘀血有り、故に喜忘せしむ。屎鞕いと雖も、大便反って易し、其の色必ず黒くなる者、宜しく抵当湯之を下すべし。」

なぜ陽明病ではなく陽明証なのでしょうか?
それは寒熱の邪の存在が感じられないからです。
しかし、黒い大便は胃家にトラブルがある証拠です。
そのためこの条文を書いた医師は、「黒い大便も陽明証です。」と補記したのだと思います。
しかし陽明病とするまでの確信はなかったのかもしれません。

症状は、喜忘と便が硬いのですがスムーズに排出し、便の色が黒いです。
黒色便は、一般的には胃や一二指腸といった上部消化管出血が原因で、たとえば胃から出血した血液が胃酸や酵素で酸化されるため便が黒くなります。上部消化管でいったん大量の出血が起きると、黒色便が1週間ほど続きます。つまり黒色便が続くからといって消化管内で出血が続いているわけではありません。
この条文の状況から考えると、胃痛腹痛がありませんから、消化管内の出血は数日前にあったのでしょう。患者は、痛みを我慢して収まり、その後黒色便が続くので医師に診てもらったのです。物忘れがありますが、いままでに何回と繰り返した出血による貧血によるものであれば、脉証は虚血を示し、その脈診から貧血の程度がわかるはずです。
出血時に起こる意識の喪失ならば、血圧が低下し、脈拍は数になり、小便難、手足厥冷、汗は漏れるため、脉は浮、数、虚大のような、脉に力なく拡張して早いとなります。
または脳梗塞のようなものであれば、閉塞による血流を改善するために、血流量の増加に進む為、脉証は力強くなると思います
しかし実際にはそこまでの状況には至っておらず、脳血流量の過不足により起こる健忘症だと思います。

この条文は、先に喜忘者と書いているので、喜忘する場合に於いて黒色便をする者は畜血、瘀血の為なので、抵当湯で下しなさいとなります。

もし喜忘を脳症と捉え、消化管出血、瘀血、抵当湯と結び付けると、門脈血栓が考えられます。

門脈の血栓により、門脈圧が亢進し、静脈瘤が破裂し出血します。また門脈血栓によって血液が逆流を起こし、肝性脳症を起こします。このような場合、血栓を抵当湯で下すことができれば改善します。
本来は、抵当湯で瘀血が改善できる早期の状態がこの条文になると考えるべきです。

このような解釈になりますと、この条文は傷寒とは関係なく、傷寒論は寒邪から始まる病気だけにとらわれない治療書であると、この条文を書き加えた医師は考えていたと思います。

畜血(ちっけつ)・・・血が溜まっている。
喜忘(きぼう)・・・喜はしばしばの意ですから、よく物忘れすること。

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しょうかんぽん

Author:しょうかんぽん
傷寒論 厥陰病編が終わりました。
霍亂病の解釈は休憩にします。
ただ今、最初から読み直しています。
このブログのスタートの時とは、解釈に違いがあります。
より独創的な解釈になります。
しばらくお待ちください。
愛知の薬剤師、三品です。

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