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229 脉浮而緊

229「陽明病、脉浮而緊、咽燥、口苦、腹滿而喘、發熱汗出、不惡寒反惡熱、身重。若發汗則躁、心憒憒反譫語。若加温鍼、必怵煩躁不得眠。若下之、則胃中空虚、客氣動膈、心中懊憹、舌上胎者、梔子豉湯主之。若渇欲飮水、口乾舌燥者、白虎加人參湯主之。若脉浮、發熱、渇欲飮水、小便不利者、猪苓湯主之。」

「陽明病、脉浮にして緊、咽燥、口苦、腹満して喘、発熱汗出て、悪寒せず反って悪熱し、身重し。若し汗を発すれば則ち躁し、心憒憒として反って譫語し。若し温針を加うれば、必ず怵煩躁して眠るを得ず。若し之を下せば、則ち胃中空虚し、客気隔を動かし、心中懊憹す。舌上胎の者は、梔子豉湯之を主る。若し渇し水を飲まんと欲し、小便不利する者は、猪苓湯之を主る。」

「発熱汗出、不悪寒」なのに、何故脉は緊なのですか。
以前から書いていますが、脉証は今の病態を現わします。脉証だけが太陽病証であるなんてことはありえません。
ですから「咽燥、口苦、腹満して喘、発熱汗出て、悪寒せず反って悪熱し、身重し。」の状態において脉証は浮緊である状態を示していると考えなければなりません。
発汗している場合に脉が緊になる理由はなんでしょうか。
陽明病の裏熱による発汗に太陽病の桂枝湯のような発汗が加われば、脉証は大緩または洪大の様相を現わします。
陽明病の裏熱による発汗に太陽病表寒実となると、陽明は発汗したく、寒実は悪寒無汗としたいが、ここでは発汗となり、表寒実が陽明に負けた、つまり表寒実にはなっていないことになります。
つまり寒熱による脉緊ではないと考えられます。
緊は血管壁が硬いことです。
それは緊以外に弦があります。
次に口苦の少陽病の柴胡剤の症状です。
少陽系の脉証は弦です。
それでは、緊となにが違うかというと心機能です。
心機能の亢進が有る場合は緊となり、無い場合は弦となります。
柴胡湯証の場合は、胸膜、横隔膜、腹膜の緊張から、細動脈の緊張に波及しています。
血管壁が硬くなる理由を少陽病の弦からくると仮定すると、下記のようになります。
この条文では、柴胡湯証の口苦腹満而喘により脉弦のところに、陽明の裏熱が強い悪熱となって発熱発汗となったと考えます。
脉弦の状態に、陽明の裏熱が加わり、裏から表へ気血が循環し、脉弦が脉浮緊になります。

前条は二陽併病の太陽と陽明でした。
この条文は、二陽併病の少陽と陽明となります。

「若發汗則躁、心憒憒反譫語」
脉浮にして緊を太陽病と判断し、発汗剤を使いました。
結果
躁・・・落ち着きが無い
心憒憒(かいかい)・・・興奮して心の乱れる様子
反譫語・・・なぜ「反ってうわごとを言う」となるのでしょうか。
少陽病編に「傷寒、脉弦細、頭痛発熱者、属少陽。少陽不可発汗、発汗則譫語。此属胃、胃和則愈。胃不和、煩而悸。」とあります。
やはり少陽病とは思っていないため、発汗して譫語になるとは予測していないからでしょう。

「若加温鍼、必怵煩躁不得眠」
脉浮而緊を太陽病だと判断し、発汗するために焼針を施した。当然陽明の熱を助長し、少陽の発汗により譫語となります。投薬と温鍼との違いが書かれていますが、その理由についてはわかりません。
必怵(じゅってき)・・・恐怖におびえる様子
煩躁・・・もだえ苦しむ
不得眠・・・眠ることができない。

「若下之、則胃中空虚、客氣動膈、心中懊憹、舌上胎者、梔子豉湯主之」
もし之を下して、陽明の裏熱が減少すればよいのですが、胃中空虚となって虚煩になりました。
腹満がなくなったが、胃中は空虚となってしまった。客気(虚に因り生じる気)に横隔膜に異常が生じ、心中懊憹となった。舌上胎から熱が確認できますが、胃中空虚なのでこの熱は虚熱となり、虚熱には梔子豉湯が有効です。

「若渇欲飮水、口乾舌燥者、白虎加人參湯主之」
最初の状態から病気が進行し、上記の場合になりました。
少陽病と陽明病の併病に於いて、少陽証が少なくなり、陽明証が強くなりました。
裏に熱が集中した為、白虎湯にて消火します。そして少陽病に因る胸膜や横隔膜の圧迫が多少ある為に心に負担が考えられ、その為に人参を使用していると考えます。

「若脉浮、發熱、渇欲飮水、小便不利者、猪苓湯主之」
最初の状態から病気が進行し、上記の場合になりました。
なぜ膀胱に熱が入り、小便不利になるのですか。
汗はどうなっていますか。
脉が浮而緊から浮になっています。
緊が無くなっていると考えると、柴胡証が減少し、脉浮発熱の陽明証になったのですが、渇欲飮水、小便不利者と胃家の膀胱が主戦場になっています。
脉浮になっているということは、発汗はスムーズになり、陽明の熱は放散できており、その為、ずいぶん病気が落ち着いてきたように思えます。
最後に、多少の発熱と口渇と水が飲みたい、小便不利の症状があります。これは、熱が膀胱にあることになります。

これは、なにを示しているのでしょうか。
この二陽の併病は、お互いの勢力が牽制し合っているための症状となっています。脉が浮而緊と力が有るので発汗、温針、下方を使っているのですが、病態は更にこじれた症状になっています。そのことを「脉浮而緊」と「発熱汗出」の矛盾から気が付かなければなりません。
このように考えると、私としてはこの場合最初は柴胡剤から選択したく、小柴胡湯加桔梗石膏となりました。

補足します。
「咽燥、口苦、腹満して喘、発熱汗出て、悪寒せず反って悪熱し、身重し。」を少陽と陽明に分類すると、「咽燥、口苦、腹満して喘」が少陽、「発熱汗出て、悪寒せず反って悪熱し」が陽明となり、二陽の併病により、身体は重く、脉は浮にして緊となります。

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Author:しょうかんぽん
傷寒論 厥陰病編が終わりました。
霍亂病の解釈は休憩にします。
ただ今、最初から読み直しています。
このブログのスタートの時とは、解釈に違いがあります。
より独創的な解釈になります。
しばらくお待ちください。
愛知の薬剤師、三品です。

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