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215 潮熱 大承気湯

215「陽明病、脉遲、雖汗出不悪寒者、其身必重、短氣、腹滿而喘、有潮熱者、此外欲解、可攻裏也。手足濈然汗出者、此大便已鞕也、大承氣湯主之。若汗多、微発熱悪寒者、外未解也。其熱不潮、未可與承氣湯。若腹大滿不通者、可與小承氣湯、微和胃氣、勿令至大泄下。」

「陽明病、脉遅、汗出でと雖も悪寒せざる者、其の身必ず重く、短気し、腹満して喘す、潮熱ある者は、此れ外解せんと欲す、裏を攻むべきなり。手足濈然として汗出づる者は、此れ大便已に鞕きなり、大承気湯之を主どる。若し汗多く、微に発熱悪寒する者は、外未だ解せざる也。その潮熱せざれば、未だ承気湯を与うるべからず。若し腹大満通ぜざる者は、小承気湯を与ふべし、微しく胃気を和し、大いに泄下せしむる勿れ。」

この脉遅は、副交感神経の亢進に因るのもと森田幸門著にも書かれています。
迷走神経の反射が起こり、徐脈、発汗、末梢血管の拡張にともなう血圧低下となります。
「雖汗出不悪寒」の症状は、外邪によるものではないことを現わしています。
そしてこの原因は内臓の緊張を回避するために迷走神経反射が起こるわけですから、この外を治したいと思っても、原因は裏にあるので裏を攻めることになります。
実際には、内臓のトラブルと迷走神経の綱引きの状態です。
「脉遲、雖汗出不悪寒者、其身必重、短氣」までが迷走神経反射
「腹滿而喘、有潮熱者」は、胃家実熱の臓腑の病です。

「手足濈然汗出者」は、精神性発汗と考え、強い緊張が胃家にあり、緊張が腸の運動を止め便秘となるので、便秘と胃家の緊張を治すために、大承気湯を与えます。

「全身からの汗が多く、微に発熱悪寒する者は、外未だ解せざる也。」となると考えると、「汗出でと雖も悪寒せざる者」を外邪の為と考えているので、裏が解しても発熱悪寒がある場合は、外未解となります。

「熱が潮熱になっていなければ、承気湯を使うべきではない。」ということは、この発熱パターンは大切な指針になります。
潮の満ち引きのように発熱することを潮熱といいますが、これが指す病態は何でしょうか。
一定の体温を継続する発熱、微熱ではダメです。

発熱のパターンに熱型というものがあります。
稽留熱(けいりゅうねつ)
一日の体温差が1°C以内で、38°C以上の高熱が持続するもの。重症肺炎や粟粒結核、腸チフスの極期、髄膜炎などでみられる。

弛張熱(しちょうねつ)
一日の体温差が1°C以上の変化をとるが、37°C以下にまでは下がらないもの。敗血症、ウイルス感染症をはじめ種々の感染症、化膿性疾患、悪性腫瘍、膠原病などでみられる。

間欠熱(かんけつねつ)
一日の体温差が1°C以上の変化をとり、37°C以下にまで下がるもの。マラリアの発熱期など、弛張熱と同様の疾患でもおこる。

波状熱(はじょうねつ)
発熱時期と発熱しない時期とが区別されているもの。ブルセラ症、マラリア、ホジキン病、胆道閉鎖症、多発性神経炎、脊髄障害。

周期熱(しゅうきねつ)
別名、周期的発熱。規則的周期で発熱を引き起こすもの。マラリア、フェルティ症候群(フェルティ病)、関節リウマチ、脾腫など。

これらは、抗生物質の使用により熱型が現れなくなったので、診断材料にはならなくなっています。
上記の中で潮熱に近いものは、波状熱と周期熱です。病名ですと胆道閉鎖症、脾腫になります。これらに限定する必要はないと思いますが、逆にこれらはこの条文に含まれていると考えます。

これらの熱型になる前までは、病態は確定せず、対応もそれぞれの症状に従います。
それが「若汗多、微発熱悪寒者、外未解也。其熱不潮、未可與承氣湯」となります。

仲景の200年代においては、臓腑の病が神経によって全身症状を現わすことを胃家熱実と外邪に分けて考えているようです。実際の治療経験から「此れ外を治そうと欲しても、裏を治しなさい」ということは、外と裏がある潮熱のこの場合は裏を治しなさいということが決まっているようです。それは理論的ではなく経験による判断です。承気湯類を使う場合を並べながら、一つ外未解の文を入れて外邪に配慮し、潮熱になる前の場合と区別しています。

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しょうかんぽん

Author:しょうかんぽん
傷寒論 厥陰病編が終わりました。
霍亂病の解釈は休憩にします。
ただ今、最初から読み直しています。
このブログのスタートの時とは、解釈に違いがあります。
より独創的な解釈になります。
しばらくお待ちください。
愛知の薬剤師、三品です。

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