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208 脉浮緊

208「陽明病、脉浮而緊者、必潮熱發作有時、但浮者、必盗汗出。」

「陽明病、脉浮にして緊なる者は、必ず潮熱発作時にあり、但浮の者は、必ず盗汗出す。」

陽明病に於いて、脉浮は悪熱が表に溢れていることによります。生理的には、血管の径が拡張して浮になり、血液流量が増加し、緊になると考えたい。

脉浮つまり橈骨動脈の拡張から考えると
橈骨動脈は、筋性血管であり、拡張要素としては交感神経の抑制と、血管内膜に代謝による内因物質(CO2、NO、乳酸、H+、アデノシンなど)の増加による拡張作用によるところが大きく、副交感神経の作用はほとんどありません。
皮膚組織にある細動脈は筋性血管であり、毛細血管に流れる血液量をコントロールしています。
筋性血管は脉浮ですから拡張しています。
交感神経が抑制されているので、コリン作動性神経の発汗神経は発汗となります。
と考えると、基本的には血管の拡張は発汗の方向に向かうことになります。

発熱の観点から考えると
交感神経系の亢進により血管が収縮し、心拍数が増加します。この結果血圧が上昇し末梢組織の還流量が増加します。このような作用の結果消化管、皮膚への血液量が減少しますが、一方で骨格筋への血液供給量が増加します。これは骨格筋の運動に伴う局所因子の影響に加えて、筋血管では血管拡張に関与するβ受容体が豊富なことも一因です。気管支平滑筋は弛緩するがこれは気管径の増加をもたらし結果として、一回換気量の増加つまりガス交換効率を向上させることとなります。一方、代謝系に視点を移すと、発熱時には骨格筋において多量のエネルギー基質(グルコース)を消費するため血糖維持が重要です。なかでも肝臓からのグルコース放出は重要です。交感神経は肝臓でのグリコーゲン分解と脂肪組織での脂肪分解を促し血液中に必要なエネルギーを与えます。交感神経は内分泌器官にも作用し副腎髄質ホルモン分泌、グルカゴン分泌を刺激しやはり末梢組織へのエネルギー供給に促進的に作用します。結果として、骨格筋を中心とした組織において豊富な酸素とグルコースが供給される一方で、皮膚や消化管へは供給が乏しくなります。

副交感神経の亢進により血管拡張と心拍数低下、消化機能亢進、瞳孔縮小となり、コリン作動性であるため交感神経の発汗となります。

血管の収縮と拡張に関する生理は、本当に良く分かりません。
当然ですが、いろいろな状態に於いてバランスが変化し、特に病気の場合は正常な手順を踏まないことになります。
それでもこの条文の「脉浮而緊」の状態を推察すると、
時おり発熱するので、発熱のための状態と考え、交感神経は亢進し、末梢の血管の平滑筋は収縮、皮膚の血流量も減少、汗腺を閉じ放熱を止め、冠動脈の平滑筋は拡張し心拍数は多くなり、骨格筋の血管平滑筋は拡張し熱生産を高め、内熱の充実をします。これにより橈骨動脈の平滑筋は収縮しますが、心拍数が多くなるので血流量は増加します。血管の収縮より、血流量の増加が血管を押し広げている状態となります。これが脉浮而緊となります。

また「脉浮、必盗汗出」とは
「緊」ではないので、血管の収縮が強くなく、それは交感神経の亢進が強くないことになり、睡眠中は副交感神経が亢進することに因って交感神経が抑制され、発汗することになると考えます。

この条文の意味することは、
「陽明病、胃家実熱が発熱する場合、内熱の充実を図るための病態は、外寒による発熱と同じ脉浮緊になることを示しています。ただし、緊張がゆるむと汗が出てしまうことになります。」

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しょうかんぽん

Author:しょうかんぽん
傷寒論 厥陰病編が終わりました。
霍亂病の解釈は休憩にします。
ただ今、最初から読み直しています。
このブログのスタートの時とは、解釈に違いがあります。
より独創的な解釈になります。
しばらくお待ちください。
愛知の薬剤師、三品です。

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