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205 能食而咳、其人咽必痛

205「陽明病、但頭眩、不悪寒。故能食而咳、其人咽必痛。若不咳者、咽不痛。」

「陽明病、但だ頭眩して、悪寒せず。故さらに能く食して咳すれば、其の人咽必ず痛む。若し咳せざる者は、咽痛まず。」

前条と書き方が似ています。
「二三日嘔而咳」「必苦頭痛」と「能食而咳」「其人咽必痛」
先に頭眩ですから脳の血管が拡張しています。悪寒はないので太陽病のような発熱作用による血管拡張ではありません。食することはできるので前条の様な冷えはありません。
咽痛は炎症しか思いつきません。
そうなると咳も炎症になります。
過食ぎみになると咳をするということが、咽痛に繋がる理由が分かりません。

考え直します。
頭眩して、悪寒がありそうなのだが悪寒はない。
(頭眩、悪寒を念頭に診察をしています。)
咳はあるが、前条のように嘔吐は無く、食欲は有る。
つまり呼吸筋のうち、外肋間筋がトラブルになるが、横隔膜は正常であることになります。
よってこの咳は、前条の胃家虚冷が原因ではありません。
ではこの咳の原因はなんでしょうか。
「能食」を「よく食す」「普通よりも多く食べる」と解釈すると、この食べる源の胃家実熱が咳の原因となります。
胃家実熱と考えると「不悪寒」は何をイメージして書いてあるのでしょうか。
不悪寒は、症状としては健全なことです。
前条に於いて、手足厥ですから冷にはなりますが悪寒にはなりません。
また陽明病だからといって胃家実熱とも考えません。
それは、胃中虚冷、脉遅、中寒などの条文が続いているからです。
陽明病は、胃家の病気と考え、その状態において寒熱に分類されます。

もう一度考えます。
頭眩、悪寒から、考えられるのは寒邪です。
太陽病を念頭に於いて診察しています。
しかし悪寒がないため太陽病ではありません。
「能食」を「食することが出来る」と読み、前条の胃家虚冷を否定します。
咳があります。
そして必ず咽が痛くなります。
咳が無ければ、咽も痛くなりません。
なにが言いたいのでしょうか。
頭眩と咳と咽痛の病気はなんですか。
肺、呼吸器の病気です。

ひょっとして肺も胃家に入りますか。

実際にはよくありますが、風邪を引いた最初の症状が咽痛という場合です。
その他の症状はありません。当然悪寒頭痛もありません。
症状の進展は、咽痛、次が咳、次は悪寒、頭痛、発熱と発展していきます。
この咽痛に対する処方は、小柴胡湯加桔梗石膏を私は使います。
となると少陽病、外寒によるものと考えています。
しかし「但頭眩」と食い違いますが、
もしも、咽が必ず痛くなることが外寒によるものと考えると、
この条文は、外寒と胃家虚冷との違いを現わしているのでしょうか。

頭痛、頭眩、無汗、不悪寒の場合、食べることが出来て咳がある場合は咽痛になり、これは外寒により、咳が無く咽痛にならないのは胃家虚冷です。
外寒に因る場合の「不悪寒」は「まだ悪寒せず」を意味し、胃家虚冷の場合の「不悪寒」は「悪寒ではなく冷になる」ことを意味します。

頭眩とは、めまいのこと。
中枢性めまい(脳のトラブル)と末梢性めまい(耳のトラブル)にわかれ、初期症状の軽いのは中枢性めまいで、初期症状が激しいのが末梢性めまいになります。
末梢性めまいでは、歩行困難や嘔吐を伴うことがあります。
この条の場合、「ただ頭眩」と「軽いめまいがある」という状態は、脳圧が少し異常になっていることを伺わせます。

頭眩が外寒では起こらないとなれば、これまでの説明は無効になります。
脳圧の異常ということで、頭痛と頭眩は同じ病態から発現するものと考えます。
そのように考えないと「めまいと悪寒」が同時にあるイメージができないからです。

別の考え方です。
197「陽明病、若能食、名中風。不能食、名中寒。」
「陽明中風と考え、風が内を攻め胃気が上逆して咳になり、咽は胃系であるから痛となる。」と胃気の上逆が原因と説明されています。(森立之「傷寒論攷注」より)
中風の風を外邪と考えているのでしたら、胃気の上逆にしなくても、「風邪が呼吸器を攻め咳と咽痛になるが、陽明の胃熱が内からその進行を阻止しています。」と外邪と内熱の攻防と考えてはどうでしょうか。
頭眩は、熱の存在であり、陽明の悪熱と考えられています。
しかし悪熱ならば汗が出ており、「不悪寒」は太陽病を否定しているのではなく、無汗を否定し、発熱ではなく悪熱であることを示唆していることになります。

以上より最終的には、外邪と内熱の攻防とします。
「胃家実熱の人が、外寒に襲われた時、表は悪熱と寒邪によって壮殺され悪寒は現れません。その表の戦いにより悪熱はスムーズに発散されなく、その行き場所は頭になり頭眩となります。寒邪は肺と咽まで攻め込みますが、それ以上は進攻できません。胃家は食欲があり熱を送り出し、寒邪に抵抗しています。胃家熱実が寒邪に勝てば、咳や咽痛になることはありません。」


故・・・コ、もと、ことさら、ゆえ。そのことを正当化する理由を意味する。
咳・・・気管、喉頭、呼吸筋の反射的な収縮運動。
能・・・ノウ、ダイ、あたふ(出来る)、よくする(普通の程度以上に立派にできること)。
眩・・・ゲン、くらむ、くらい、まばゆい。めまいする意。

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しょうかんぽん

Author:しょうかんぽん
傷寒論 厥陰病編が終わりました。
霍亂病の解釈は休憩にします。
ただ今、最初から読み直しています。
このブログのスタートの時とは、解釈に違いがあります。
より独創的な解釈になります。
しばらくお待ちください。
愛知の薬剤師、三品です。

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