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202 穀疸

202「陽明病、脉遲、食難用飽、飽則微煩頭眩、必小便難、此欲作穀疸、雖下之、腹滿如故。所以然者.脉遲故也。」

「陽明病、脉遅、食し難く用うれば飽き、飽くれば則ち微煩頭眩し、必ず小便難きは、此れ穀疸を作さんと欲す、之を下すと雖も、腹満ること故の如し。然る所以の者は、脉遅なるが故なり。」

「食するを飽きるほどもちいることは難しく、つまりお腹いっぱい食べることは難しい、飽きるほど食した場合は微煩、頭眩し、必ず小便が出にくい、これは穀疸になりそうな状況です、之を下したとしても、腹満が無くならないままです。このようになるのは、脉が遅だからです。」

この状況の胃家はどのようになっているのでしょうか。
脉が遅である以外は、なにも症状はありません。
食に関しても、わざわざ飽をなさないと微煩頭眩にならないわけですから、腹8分の食事を日課にしている人の場合には、脉遅であってもその先の判断はできません。

脉が遅になる状況を想像してみます。
心拍数が低下する・・・副交感神経の働き、スポーツ心臓、静脈環流が増加し1回の拍出量が多い、
血管筋組織が、脉波の伝達がスムーズにできない。・・・この場合はリズムにも異常が現れます。

このなかで脉遅になるものは、副交感神経の亢進です。
 「安静時における心拍出量の血流配分は、脳が15%であり、肝臓と腎臓がそれぞれ20-25%と高く、骨格筋が15-20%と低い。臓器への血流配分を調節するのは、各臓器の細動脈における血管平滑筋の収縮である。これらは、自律神経、ホルモン、代謝産物、CO2、O2などによって調節される。」となっています。
上記が昼間の状態だとすると、飽食をすると、血液は胃腸に集まり、微煩頭眩します。この場合、血液は胃家に集まりますから、橈骨動脈に巡る血液は減少し、脉は沈遅になります。
また別の考えでは、肝臓や腎臓が血を貯蔵することができないことによって、静脈環流が増加し、心拍出量が増え、脉遅になることも考えられます。
この場合は、胃家が血虚になり、体表に血が多く巡るので、橈骨動脈では脉浮緩遅となります。
これらは、自律神経失調や臓器の機能低下であり、この条では胃家虚と言えます。

小便難は、尿細管における再吸収が促進されているからです。再吸収が促進するということは、血圧を上げようとしているため、血管を収縮に働きます。
これは脉遅に反応し改善しようとしています。

この小便難によって脉遅が改善できないところに、「欲作穀疸」が関わってきます。
それは、肝臓障害がすでに進行していることを意味しているのではないでしょうか。

結果、この条文では肝障害により脉遅となる場合は、食事を食べ過ぎると微煩頭眩が起こり、腹満し、食べ過ぎたからだと考え下剤を服用しても、肝障害により腹満なので改善しません。

脉遅を徐脉と考えて、徐脈と黄疸で調べると
「心の洞自動能は,交感神経及び副交感神経のバランスの上に調整されています.すなわち,交感神経が興奮すれば,洞性頻脈に傾き,副交感神経が優位になれば,洞性徐脈に傾きます.発熱,興奮,運動,貧血等は,交感神経系を刺激し頻脈になります.一方,閉塞性黄疸,甲状腺機能低下,脳圧亢進等は,副交感神経系を刺激し徐脈をきたします.」

閉塞性黄疸
原因はいろいろありますが、一番多いのは胆管内に石ができて通りが悪くなる「胆管結石」です。その他の原因には、「胆管腫瘍」「胆管炎」「胆のう炎」や「胆のう腫瘍」など、胆管そのものが狭くなる場合や、「膵炎」や「膵臓の腫瘍」「肝臓の腫瘍」「リンパ節腫大」など、胆管の周りから押されてせまくなることや、つまる場合などがあります。」

上記より、この条文の示しているものは、閉塞性黄疸のケースではないでしょうか。
原因は、胆石の初期。
「此欲作穀疸」とは、「胆石による閉塞性黄疸になろうとしている」と想像しました。

医学的に、胆管の狭窄がどの程度から徐脈が現れるかを研究していただけると、この条文の意味がハッキリしますが、それは無理なお願いですよね。

穀疸・・・食がなやます病気、
疸・・・タン、わうだん、
癉・・・なやます、病む、つかれる、苦しむ、わうだん、
用・・・ヨウ、もちいる、はたらき、そなえ、もって。人を犠牲とする。
飽・・・ホウ、あく。満つる。

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Author:しょうかんぽん
傷寒論 厥陰病編が終わりました。
霍亂病の解釈は休憩にします。
ただ今、最初から読み直しています。
このブログのスタートの時とは、解釈に違いがあります。
より独創的な解釈になります。
しばらくお待ちください。
愛知の薬剤師、三品です。

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