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183 184 炙甘草湯

183「傷寒脈結代、心動悸、炙甘草湯主之。」

「傷寒脈結代し、心動悸するは、炙甘草湯之を主る。」
動悸はいろいろな病態であります。
その中で、動悸と脉結代以外の症状がない場合となります。
動悸・・・心臓の拍動が自分で感じられる状態。
脉結代・・・結、代ともに時々止まることは同じですが、早くなったり遅くなったり動きが不整なもので、結は助かるが、代は死脉と言われています。
次の条文に脉の説明があります。
184条を先にお読みください。

結と代陰となり、代のみがありませんが、説明があるということは、この182条の脉結代は二つに分かれ脉結と脉代と考えられます。
184条の結と代からこの条文を解釈すると
脉結は陰(血)が結している為、動悸する場合は、炙甘草湯です。
脉代は陰(血)を流通させる能力が低下しており、動悸する場合は、炙甘草湯です。
脉証が結、代ともに程度に因っては、炙甘草湯で改善することがあると考えます。

184「脈按之来緩、而時一止復来者、名曰結。又脈来動而中止、更来小数、中有還者反動、名曰結陰也。脈来動而中止、不能自還、因而復動者、名曰代陰也、得此脈者必難治。」

「脉之を按ずるに来ること緩、時に一止し復来る者は、名づけて結と日う。又、脉来ること動にして中止し、更に来ること小数、中に還る者有りて反って動ずるは、名づけて結陰という。脉来動にして中止し、自から還る能わず、因って而して復た動ずる者は、名づけて代陰と日うなり、此の脉を得る者は必ず治し難し。」

条文の流れから考えて、ここでは外邪は無く身体の様子を現わしている脉証と考えます。
結・・・・脉按之来緩、而時一止復来者
陰結・・・      脉来動而中止、更来小数、中有還者反動
代陰・・・      脉来動而中止、    不能自還、因而復動者

橈骨動脈における脈診において、どれほどリズムが乱れていても心機能に異常が無い場合のあることを、私は経験しています。脉のリズムがとても乱れていたので2度ホルダー心電図による検査をしてもらいましたが異常は有りませんでした。その後は橈骨動脈波が乱れている場合は、頸動脈においても脉波を確認することにしています。
つまり、この結、代は心機能が原因でない場合を考えなくてはなりません。この場は太陽病だからです。

脉は緩ですが、浮沈はわかりません。
結は、一つだけ止まる。
陰結は、動が来て、一つだけではなく中程度止まっている、そして数が少し来て、正常な脈が有り、また動が来る
代陰は、動が来て、一つだけではなく中程度止まっている、正常な脈に戻ることがなく、また動となる。
「中有環」を「正常な脉に戻る」と考えました。これは前後の文章の意味から考えています。
「動」を拍動つまり脈拍と考えるならば、結の「而時一止復来」が「而時一止復来動」となるべきでしょう。
「中止」は「脉が止まった」と思うほどの時間があり、その後突然動き出したことを「動」としたのならば、この太陽病編には重症すぎます。
「脉按之来緩」と「来」の後には、脉証が書かれています。
「動」は脉証の一つと考えました。

結・・・緩、脈波のリズムは正常であり、その一拍が飛ぶ。
陰結・・・正常な脉が動になり、2~3拍止まって、少し数の脉になり、一度正常な脉になり、また動の脉になる。
代陰・・・正常な脉から動になり、2~3拍止まり、正常な脉にはならず動になる。動と2~3拍の停止を繰り返す。

橈骨動脈における脉波の影響は、心機能や肺、胸膜、肋格筋、横隔膜のほか、血管の筋肉の状態も大きく影響すると考えます。
脉波は、血液の容積変化によるものと、血管の伸縮、つまり電気信号によるものがあります。血管の状態に因っては、この心臓から出された電気信号に血管の伸縮が同調しない場合があり、脉波が異常になることがあるものと考えます。

もう一度解釈します。
「脉を按じて来るのは緩である。そして時にひとつ止まってまた来るものを、結と名づける。また来る脉が動で、そして体内の循環が止まり、さらに少し数が来る、体内の循環が戻るが、また動の場合もある。この脉を結陰と名づける。来る脉が動で、そして体内の循環が止まる、自然に循環が戻ることができない、因ってまた動になる場合は、代陰と名づける、この脉になる者は治療が難しい。」

分からないのが「中有環」「不能自環」の解釈です。
「不能自環」が「脈が戻らない」という意味ならば、「因而復動者」とはなりません。
「中有環」・・・中にかえすものが有る
「不能自還」・・・自然(自ら)にかえす力がない

では「中にかえすものが有る」とは、どういう意味なのか。
かえすものは「陰」となり、「中にかえす陰が有る」となり、陰がかえっても正常にならずに動になるということを「中有環者反動」となります。
これは、どこかで陰が結してスムーズに流通していないと考え「結陰」と名づけています。
陰は、具体的には血になりますが、血を中心とした陰的なものを指示していることになります。

一方、「自然に(自ら)かえす能力がない」とは、どういう意味なのか。
「陰」はあるが、それを循環させる能力がない。
因って(陰がスムーズに流通しない為)また動の脉になる。
これは陰が結しているのではなく、流通させる能力が低下しているのです。
この脉を代陰と名づけていますが、「代」の意味がわかりません。
この循環器不全のような状態と「代」の関係はなんでしょうか。
代陰・・・代が陰になる。
「君が代」の「代」と考えると、「時代が陰になる」、つまり「時が収縮する」、そして「死に至る」という意味でしょうか。

陰結と代陰の違いは分かりましたが、実際の脉診における判断基準はどうなるのでしょうか。
陰結の脉証は、動―停止―数―動
代陰の脉証は、動―停止―動
違いは数だけです。
もう少し広くしてみましょう。
陰結の脉証・・・正常な脉から動になり、一時停止、数の脉になり、正常な脉になる場合もあるが、動になることもある。このリズムを繰り返す。
代陰の脉証・・・正常な脉から動になり、一時停止、動の脉になり、また一時停止を繰り返す。
この状況から考えると、「動」の脉は乱れた脉状、数とか遅とならず、絶えず変化している脉証ではないでしょうか。

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この記事へのコメント

No title - keiko - 2010年09月09日 07:09:14

こんにちわ
初めてコメントさせていただきます
ここ数年近所の中医の先生から漢方薬をいただいています
漢方薬の本を読んでみたいとおもうのですが
漢字の読み方がわかりません。
読み方だけがわかっても意味ないとは承知の上での質問ですが

学生さんたちは、漢方薬専門の辞書を使っておられるのでしょうか?

Re: No title - しょうかんぽん - 2010年09月09日 10:55:24

こんにちは
コメントありがとうございます。

私も、本当に読みには苦労しました。
勉強会や振りの打ってある解説本を頼りに読むのですが、
著者によって、読みも解説も違う場合があり、
本当に苦労し、なんとか慣れたという感じです。

学生たちには、漢方薬を全く知らない人もいます。
ですから、当然漢字が読めません。
学生が一人の場合は、良いのですが、
3人となると、相手もできず、自習が進まないことが分かり
秋に始まる研修生の対応を思案中です。

専門の辞書なるものを、私も持っていません。

もしかすると中医学では、辞書があるかもしれませんが、
私は傷寒論ばかりで中医を知らないのでわかりません。

漢方薬の世界に興味を持っていただいたことを嬉しく思います。
気楽に、のぞいて見てください。
漢字になれると、解釈するのには意味が分かればよく、
音読する必要がないために、いまでもスムーズに音読できません。
お恥ずかしいしだいです。

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プロフィール

しょうかんぽん

Author:しょうかんぽん
傷寒論 厥陰病編が終わりました。
霍亂病の解釈は休憩にします。
ただ今、最初から読み直しています。
このブログのスタートの時とは、解釈に違いがあります。
より独創的な解釈になります。
しばらくお待ちください。
愛知の薬剤師、三品です。

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