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脈診

脈診
手の動脈レントゲン
手の動脈・橈骨動脈の図を探しました。(「母指橈側背側動脈の解剖学的検討」第4回臨床解剖研究会記録より立体動脈造影写真)
上記の図から分かるように、橈骨動脈と尺骨動脈はループしてつながっています。上腕動脈は、途中橈骨動脈と尺骨動脈に別れ両サイドから手に血液を送っています。
橈骨動脈は、中等大の筋型動脈です。構造は、内膜、中膜、外膜の3層です。内膜は一層の上皮性細胞とその内皮下組織の基底版(膜)からなります。
中膜は内側を内弾性板、外側を外弾性板で区切られ、弾性線維(エラスチン)、平滑筋、膠原線維(コラーゲン)で構成されています。
外膜は、線維芽細胞、エラスチン、コラーゲンで構成さえていますが、そこには血管運動神経、知覚神経、栄養血管が存在します。
ちなみに、動脈には筋型動脈以外に大動脈や肺動脈などの太い弾性動脈と抵抗血管となる細動脈の2種類があります。いずれも内膜、中膜、外膜の3層構造なのですが、その構造組成は動脈により異なります。筋型動脈と弾性動脈の大きな違いは、下記図のごとく中膜の構造で、弾性動脈はエスラチンと平滑筋が交互に同心円状に重なる層状構造になっていますが、筋型動脈ではエラスチンは少なく、主に平滑筋により構成されています。細動脈の中膜は数層の平滑筋細胞と周皮細胞からなり、弾性板はありません。細動脈は抵抗血管とも呼ばれ、交感神経の支配で血管径を能動的に変化させることができます。

循環器系は閉鎖回路であり、血液量は4~5ℓ(体重の約8%)と定量です。
安静時と運動時の血液配分に違いがあり、運動時では、安静時に比べ「脳、肝臓と消化器、骨、生殖器、その他」の血液が減少し、「筋肉と皮膚」に血液が集中しています。

心臓は、血液を送り出します。その送り出す血液は静脈から心臓に入ってきた血液です。体内の血液の総量を100、動脈に50の血液が流れているとすると、静脈にも50の血液が流れています。
もし、ある条件下において動脈に70の血液が流れていると、静脈には30の血液しかありません。しかし、動脈の70の血液を維持するには心臓が70に見合った血液を送り出さなければなりません。それは心臓にそれなりの血液が入らなければならなく、その血液は静脈の血液なのです。ホメオスタシスが機能すれば、条件がなくなると動脈に70静脈に30は自然に50,50に戻っていきます。
実際の動脈には1/3、静脈には2/3の血液配分になっています。


つぎに「動脈(筋型動脈)の収縮と弛緩」です。
血管が収縮すれば、硬くなり、弛緩、拡張すれば軟らかくなります。
動脈平滑筋の収縮と弛緩には、血管運動神経と血管内皮の分泌物質の制御を受けています。
血管運動神経とは、交感神経性血管収縮線維 交感神経性血管拡張線維、副交感神経性血管拡張線維などです。
内皮依存性の血管収縮反応は一酸化窒素やプロスタサイクリンなどが有り、血管弛緩反応はエンドセリン、プロスタグランジンH2などがあります。

「呼吸」について
静脈還流は、主は心臓のポンプ作用ですが、その他に心臓の吸引作用、筋ポンプ、呼吸ポンプがあります。
呼吸は、呼息時には胸腔内圧が上がり腹腔内圧が下がり下肢から血液が腹腔に入り、吸息時には胸腔内圧が下がり腹腔内圧が上がり、胸腔内の血液が心臓へ送る作業をしています。つまり呼吸が不安定になると、静脈還流量も不安定になり、脈波の基線にばらつきが現れます。これが脈診において脈の乱れの原因になります。

橈骨動脈径の男女差(湘南鎌倉総合病院、斉藤滋先生のデータより)
橈骨動脈径は
男性では、2.6mm以上は約80%、3.0mm以上ある人60%、3.4mm以上ある人は約40%
女性では、2.6mm以上は約60%、3.0mm以上は約40%です。

血管平滑筋細胞のCa濃度の変化
今までは平滑筋が収縮する時、平滑筋細胞も均一に反応すると考えられていましたが、そうではないことがわかってきました。そうなると、平滑筋細胞の反応の低下により脈波の伝達がスムーズではない場合があると考えられます。上腕動脈においてもスパスムスはあるのではないでしょうか、それにより橈骨動脈波が乱れ、脈診において脈の乱れの原因になります。
心機能の異状は、脈の乱れの第一原因になりますが、その場会病院で検査を受けることを指示し、心機能を確認します。異常があれば脈波の乱れの原因が心疾患であるこが決まります。しかし脈診での脈波が乱れていたとしても、病院の検査において異常(ホルダー心電図)がない場合もあります。その場合は心機能以外の原因を考える必要があります。それに当てはまる原因として、呼吸と血管平滑筋細胞を上記しました。

橈骨動脈の容積と加圧の関係は、「動脈血管硬化指標としてのASI測定原理と基礎的な評価」(杏林大学 嶋津秀昭)を参照しました。
血管に対する加圧に比例して容積変化が起こるわけではないことを、上図は示しています。そして脈波の容積変化は、ある時点において大きくなり、その理由は、橈骨動脈の構造にあることを説明しています。

上記のことを踏まえ、脈診の手順を示します。

「脈を診るとき、初めに橈(とう)骨(こつ)動脈(どうみゃく)上に三指を置きます。
まず皮膚に触れ、それから徐々に加圧します。
最初に脈に触れ始めた場所から、浮沈を決定します。
この時点で触れる脈は、動脈の膠原繊維(伸展性が低い)でできている外膜の特性を示しています。指先では、血管の外形(丸み)がわかります。
更に加圧して、平滑筋と弾性繊維(伸展性が高い)でできており容積の変化の大きい中膜の特性を示す脈波に触れることになります。脈診のなかで一番はっきりした脈波です。ここでも血管の外形がわかります。
ここで脈の形を判断します。
ここまでが、容積脈波です。
更に加圧すると、指先では、血管を押しつぶし平たく感じます。血管の外形がわからなくなり(外膜の壁圧がなくなる)、血管壁を感じない状態になっても脈波があります。これが、圧脈波です。
更に加圧していくと、だんだん脈波は小さくなり、最後には指圧に負けて脈波がなくなります。」

以上が脈診の基本動作となります。


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Author:しょうかんぽん
傷寒論 厥陰病編が終わりました。
霍亂病の解釈は休憩にします。
ただ今、最初から読み直しています。
このブログのスタートの時とは、解釈に違いがあります。
より独創的な解釈になります。
しばらくお待ちください。
愛知の薬剤師、三品です。

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