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323 少陰病の猪苓湯

323「少陰病、下利六七日、咳而嘔、渇、心煩、不得眠者、猪苓湯主之。」

「少陰病、下痢6~7日、咳して嘔し、渇し、心煩し、眠りを得ざる者は、猪苓湯之を主る。」

この下痢6~7日をどのように考えますか。
320「少陰病、二三日不已、至四五日、腹痛、小便不利、四肢沈重疼痛、自下利者、此爲有水氣。其人或咳、或小便利、或下利、或嘔者、真武湯主之。」
日数を手掛かりに考えると、真武湯の4~5日後となります。
真武湯を与えても下痢が止まらない、それとも真武湯の時期を過ぎてしまったと判断したのでしょうか。
真武湯の症状と異なるのは、「渇」「眠れない」が有り、「小便利不利」「腹痛」「四肢沈重疼痛」が無くなっています。
真武湯の状態では、水の有余が問題を起こしていましたが、この条では6~7日の下痢に続き渇が現れているから津液の枯渇が問題になってきました。
血液量の減少は、心臓に負担を掛け、そのため眠ることができません。
イライラするのは、交感神経の亢進が継続されているためです。

どのような状況なのでしょうか。
下痢が止まらないということは、水が減少し続けているということです。
体内に水が溜まっていません。
小便不利になるはずですが、それを通り越して血虚になり、コントロール不能です。

問題は下痢です。
真武湯で止まらない下痢が、猪苓湯で止まるということはどういうことですか。

これまでの猪苓湯の条文です。(四逆湯の条文も追記)
229「陽明病、脉浮而緊、咽燥、口苦、腹滿而喘、発熱汗出、不悪寒反悪熱、身重。若発汗則躁、心憒憒反譫語。若加温鍼、必怵煩躁不得眠。若下之、則胃中空虚、客氣動膈、心中懊憹、舌上胎者、梔子豉湯主之。若渇欲飮水、口乾舌燥者、白虎加人參湯主之。若脉浮、発熱、渇欲飮水、小便不利者、猪苓湯主之。」
230「陽明病、汗出多而渇者、不可與猪苓湯。以汗多胃中燥、猪苓湯復利其小便故也。」
231「脉浮而遲、表熱裏寒、下利清穀者、四逆湯主之。若胃中虚冷、不能食者、飮水則噦。」

真武湯、通脉四逆湯と附子剤がきて、四逆散と柴胡剤と続き、猪苓湯を挟み、大承気湯となります。
膀胱熱と考えるのは、猪苓湯が主るからです。
現場では、「下痢六~七日、咳、嘔、口渇、心煩、不眠」から膀胱熱を選択できません。
脉証は、沈細の様相です。
津液減少と気の上昇となります。
猪苓湯が水熱邪と考えるには水が必要ですが、ここでは長期の下痢により水がありません。
猪苓湯が下痢を止めるとは思えません。

問題は、下痢を止めるのか、咳嘔渇心煩不眠を改善するのかの選択となります。
よくわかりませんが、猪苓湯により糸球体の血液循環量を増加させることで、交感神経に変わり、副交感神経の亢進を促し渇心煩不眠を改善するというのはどうでしょうか。
そうなると手足は血流が低下し、小便不利になり、下痢が継続されます。
これは真武湯の対象になります。
323条の状態で猪苓湯を服用すると、320条の状態に戻ることになります。

本来は「主」ですから、この323条文では猪苓湯で治ると考えます。
少陰病でありながら水熱邪となるのであれば、その存在は脉証にどのように反映されるのでしょうか。
もし脉証に反映されない程度の熱邪ならば、それは熱邪とは言えないと考えます。
そこでこの場合の猪苓湯の効果を気血の流通とし、それは前条と同様なのです。

少陰病、下痢6~7日なので、機能の低下は血管平滑筋を弛緩し、血流量が増加すれば問題ないのですが、血流量は増加していないことにより、脉沈細となります。血流量は心拍出量なのですが、末梢の血管の弛緩により、静脈環流が減少しているため、右心房に充分な血液が入らなく、心臓に負荷がかかります。心拍数は上昇しますが、1回の拍出量が低下し、冠動脈への血流量も低下します。呼吸による胸空の圧変化が心拍と一致しないので咳となります。心臓の負荷は心煩となり、交感神経の亢進は渇と不眠となります。
前にも書いたように、猪苓湯の服用により、腎臓の糸球体への血流量が充分になることにより、レニンの分泌が低下、交感神経の低下となります。
これは少陰病下痢6~7日のために虚し過ぎたため、真武湯や四逆湯によって全身のバランスを戻すことができなく、人体の一部である腎機能を猪苓湯によって亢進することにより、そのフィードバック効果を期待するものです。
心が落ち着いたら、真武湯、四逆湯の服用になります。

脉証は、沈細で数でしょうか、遅にはなりません。
猪苓湯の服用で、数が無くなればOKです。
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しょうかんぽん

Author:しょうかんぽん
傷寒論 厥陰病編が終わりました。
霍亂病の解釈は休憩にします。
ただ今、最初から読み直しています。
このブログのスタートの時とは、解釈に違いがあります。
より独創的な解釈になります。
しばらくお待ちください。
愛知の薬剤師、三品です。

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