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264 265 266 黄疸 茵蔯蒿湯 梔子蘗皮湯 麻黄連軺赤小豆湯

264「傷寒七八日、身黄如橘子色、小便不利、腹微滿者、茵蔯蒿湯主之。」

「傷寒七八日、身黄橘子の如き色、小便不利し、腹微満する者は、茵蔯蒿湯之を主る。」

傷寒7~8日間どのような状態であったかは、治療も含めて分かりませんが、この時点では全身がみかんのような黄色になり、小便が不利になり、少し腹満があります。

前条の強膜の黄変に比べたら、ずいぶん黄疸が進行しています。
前条とは病気の種類が異なると考えるのではなく、程度が違います。
全身がみかんのように黄変し、小便不利し、腹満も少しあります。
前条のように目が黄色いのとは、血清ビリルビンの量が明らかに違います。
そして腹満は、門脈圧の亢進に因る肝被膜の膨満か、腹水によるものと考えられます。
小便不利は、この時点ではすでにビリルビンが尿に混じり尿色が濃くなり、小便が濃縮されていると判断されると、それだけでも小便不利と考えられやすい、また門脈圧亢進に因る腹水とビリルビンに因る腎細胞の損傷により小便不利となっている可能性もあります。

尿色は黄疸が現れる前に高ビリルビン血症によって濃くなるため、暗色尿の発現は黄疸の発現よりも高ビリルビン血症の発症をより的確に示しています。

この黄疸の条文は、肝炎について記述されています。
白目が黄色い場合は、発汗剤と下剤は使ってはいけません。
黄疸は、寒湿の病気です。
黄疸が激しい場合は、小便不利と腹満が症状として現れてきます。
この場合は茵蔯蒿湯です。
黄疸で発熱する場合は、梔子蘗皮湯になります。
この3条は、ウイルス性肝炎の症状に当てはまります。
そして麻黄連軺赤小豆湯は、肝硬変の場合です。
一見正常なようでも裏に瘀熱があるため、黄疸になります。

この4条文は、文頭が「傷寒」から始まり、236条にある黄疸の原因となる「寒湿」を「寒い湿」「陰湿」と解釈するのではなく、「傷寒の湿」と解釈します。ただ湿と書けば湿邪となり傷寒論より金匱要略の分類となることを否定しています。
つまり寒湿による黄疸の始まりは白目の黄変であり、症状に従って下記の処方から選択しなさいとなります。
その下記の処方というのは、
黄疸が激しい茵蔯蒿湯。
黄疸に発熱を伴う梔子蘗皮湯。
黄疸を現在発していなくても、瘀熱が裏にある(肝硬変)場合は麻黄連軺赤小豆湯。
ということになります。

265「傷寒身黄発熱、梔子蘗皮湯主之。」

「傷寒身黄発熱する者は、梔子蘗皮湯之を主る。」

黄疸があり、発熱する場合は、梔子蘗皮湯を服用します。

266「傷寒瘀熱在裏、身必黄、麻黄連軺赤小豆湯主之。」

「傷寒瘀熱裏に在れば、身必ず黄す、麻黄連軺赤小豆湯之を主る。」

下記にあるように肝硬変の場合、その初期症の全身の脱力感,食欲不振,倦怠,体重減少などを瘀熱の為と考えた、そして肺の喚起能力が低下するため麻黄によって強制的に改善を図り、酸素濃度を上げます。漢方的には発汗剤は使用をさけたいところですが、裏に潜在する瘀熱による症状を改善するには麻黄しか効果がなかったのでしょう。
今の時点では黄疸は現れていませんが、今後必ず黄疸が現れます。
これは慢性病であることを意味しています。

急性ウイルス性感染
感染は潜伏期間から始まり、この時期にウイルスは症状を示すことなく増殖して広がる。次に前駆期(または黄疸前期)が続き,顕著な食欲不振,倦怠感,悪心および嘔吐,およびしばしば発熱または右上腹部痛などの非特異的な症状を呈する。蕁麻疹および関節痛はときに起こり,特にHBV感染でみられる。3〜10日後に暗色尿が現れ,続いて黄疸が現れる(黄疸期)。全身症状はしばしば消退し,黄疸が悪化しているにもかかわらず患者は気分がよくなる。黄疸期の肝臓は通常腫大し圧痛があるが,辺縁は軟らかく滑らかなままである。患者の15〜20%に軽度の脾腫が生じる。黄疸は通常1〜2週間以内でピークを迎え,2〜4週間の回復期に消失する。通常,食欲は第1週の後に戻る。急性ウイルス性肝炎は,通常4〜8週間後に自然消失する。

肝硬変
肝硬変は何年もの間症状がみられないことがある。しばしば初期症状は非特異的で,全身の脱力感,食欲不振,倦怠,体重減少などがみられる。典型的に肝臓は触知可能で硬く鈍縁を呈するが,ときに小さく触知困難である。通常,結節は触知不可能である。栄養不良は一般的にみられ,食欲不振で食事の摂取不足,特に胆汁の分泌不足により脂肪や脂溶性ビタミンの吸収不良がある場合に二次的に生じる。一般に,アルコール性肝疾患による肝硬変を伴う患者は膵臓の機能不全もみられ,これも吸収不良の一因となる。
胆汁うっ滞がある場合(例,原発性胆汁性肝硬変),黄疸,そう痒,および黄色板症などが生じることもある。門脈圧亢進症は,食道静脈瘤からの消化管出血,門脈圧亢進性胃障害,または直腸静脈瘤;脾機能亢進症を伴う脾腫;門脈-体循環性脳症;腹水を併発する。最終的に肝機能不全が起こり,凝固障害,場合によっては肝腎症候群に至り,黄疸や肝性脳症を引き起こす。肝硬変は肺内で右左シャントおよび換気/灌流不適合を生じ,その結果低酸素症を引き起こす。進行性の肝機能低下は肝不全および腹水に至る。肝細胞癌は肝硬変を頻繁に合併し,特に慢性B型およびC型肝炎ウイルス,ヘモクロマトーシス,アルコール関連性肝疾患,α1抗トリプシン欠損症,および糖原病による肝硬変で多い。(「メルクマニュアル医師向け」より)

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プロフィール

しょうかんぽん

Author:しょうかんぽん
傷寒論 厥陰病編が終わりました。
霍亂病の解釈は休憩にします。
ただ今、最初から読み直しています。
このブログのスタートの時とは、解釈に違いがあります。
より独創的な解釈になります。
しばらくお待ちください。
愛知の薬剤師、三品です。

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